2025年4月から募集を始めた『戦後80年日韓国交正常化60年-日韓青少年が創っていく東アジアの平和と未来』(以下、本プロジェクト)は6月から8月にかけて全6回のオンライン事前学習(Zoomミーティング)を開催した。韓国と日本の青少年はそれぞれの場所からオンラインで出会い、日韓関係の歩みと課題・国連システム・子どもの人権・永世中立国スイスまた平和の首都として知られるジュネーブの歴史と取り組みについて共に学び、ジュネーブで発表する共同の平和メッセージを作り上げました。この過程で互いの歴史や社会を深く理解し、ジュネーブ現地学習の意義を共有しながら信頼を築いていった。

オンライン事前講座

| 第1回 NPAジュニアオリエンテーション-ここから始まるミライ世代のピースビルディング 開催日:2025年6月7日(土)16:00-18:00    講師:日比野千佳(NPA事務局・元中学校教員) 特別ゲスト:坪井佑介(江原大学) | 第2回**【事前学習①】日韓国交正常化60年 - 東アジアの過去と今・ミライ世代の平和ビジョン日韓合同** 開催日:2025年6月14日(土)16:00-18:00 講師:李泳采(恵泉女学園大学) | 第3回 【事前学習②】国連人権理事会を学び、世界へ声を届けよう 日韓合同 開催日: 2025年6月28日(土)16:00-18:00 講師: 永井文也(神田外語大学) | | --- | --- | --- | | 第4回*【事前学習③】子どもの権利条約を学ぶ・使う  日韓合同* 開催日:2025年7月12日(土)16:00-18:00 講師:堀芳枝(早稲田大学) | 第5回【**事前準備①】ステートメントを考えよう!- 日韓共同東アジアミライ世代の平和への権利メッセージ日韓合同**                    開催日:2025年7月19日(土)16:00-18:00 講師:李泳采(恵泉女学園大学)・日比野千佳(NPA事務局・元中学校教員) | 第6回**【事前準備②】ジュネーブ国連人権理事会でのサイド企画を考えよう!日韓合同*   開催日:2025年8月2日(土)16:00-18:00 講師:李泳采(恵泉女学園大学)・日比野千佳(NPA事務局・元中学校教員) |

フィールドスタディの日程


1日目


長時間と渡航を終え宿泊先に到着した後、簡単な日程案内とともにプログラム全体の概要が紹介された。韓国と日本の青少年たちは順番に自己紹介を行い、今回の旅で期待することを語り合いながら互いを知る時間を持ちました。オンラインを通じて顔を見ていた仲間たちが、ついに実際に出会う瞬間です。夕方 Free Walk Geneva が実施する「ジュネーブ国際都市ツアー(International Geneva Tour)」に参加しました。ツアーでは、国連ジュネーブ事務所前の広場にあるスイスのアーティストによって制作された、地雷やクラスター爆弾への反対を象徴して作られたブロークンチェアや全長6メートルに渡る平和への祈りを込めて作られた壁画の説明を聞くことができました。ジュネーブ市内を歩きながら国際人権機関を象徴する国連ジュネーブ事務所(UN Geneva)をはじめ、世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)などの外観や位置を直接確認し、戦争や不平等の犠牲の歴史から人権を守ろうと設立されたこうした機関を目で見て感じることができた1日でした。

コアントロン国際空港に到着。

コアントロン国際空港に到着。

スペインから来たというガイドのJaime(ジェイミー)さんと一緒に。ツアーの終着地、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)前にて。

スペインから来たというガイドのJaime(ジェイミー)さんと一緒に。ツアーの終着地、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)前にて。

ジュネーブ市街ツアー開始。

ジュネーブ市街ツアー開始。

スイスのアーティストによって作っれた6mの壁画。平和への祈りが込められている。

スイスのアーティストによって作っれた6mの壁画。平和への祈りが込められている。

ジュネーブ市街マップ

ジュネーブ市街マップ

4本の脚の内1本が折れているブロークンチェアは、地雷やクラスター爆弾による犠牲を思い起こさせます。

4本の脚の内1本が折れているブロークンチェアは、地雷やクラスター爆弾による犠牲を思い起こさせます。

国連ジュネーブ本部前のアリアナ公園に設置されルワンダ虐殺とボスニアの虐殺の追悼碑。国連がこの時介入に失敗したことも忘れないため。

国連ジュネーブ本部前のアリアナ公園に設置されルワンダ虐殺とボスニアの虐殺の追悼碑。国連がこの時介入に失敗したことも忘れないため。

2日目

この日の午前中は国連ジュネーブ事務所(UN Office at Geneva)を訪れ、国連の設立背景と国際社会の意思決定構造、平和政策が実施される過程について学びました。 参加者たちは建物内(Palais des Nations)を見学し、ロビーに展示されたさまざまな展示物や国際会議場を巡りました。 ちょうど第60回国連人権理事会(60th Session of the Human Rights Council, 2025年9月8日〜10月8日)の開催期間中であり、実際に会議が進行している様子を傍聴席から見学し、国際社会の議論がどのように行われているのかを直接目にすることができました。ガイド職員の説明から国連での公用語(6か国語)の紹介や通訳の役割、NGOなどの市民団体や未成年も国際会議に参加できる仕組みを聞くことができました。この日、今回事前に提出した日韓共同の声明文が人権理事会で正式に採択されたという嬉しい知らせも届きました!午後には世界YMCA(World YMCA)本部を訪問し、青少年をサポートする市民社会の役割や若者の社会参加や連帯の意義について理解を深めました。 夕方にはジュネーブ旧市街を散策し、古い町並みがそのまま保存されているこの都市が持つ歴史的なアイデンティティを肌で感じ取りました。

国連ジュネーブ事務所前

国連ジュネーブ事務所前

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ショーケースの中の展示はネルソン・マンデラ(南アフリカ)

ショーケースの中の展示はネルソン・マンデラ(南アフリカ)

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加盟国193,オブザーバー国2(バチカン・パレスチナ),国連期1,合計196本の旗が並ぶ。

加盟国193,オブザーバー国2(バチカン・パレスチナ),国連期1,合計196本の旗が並ぶ。

Palais des Nations(パレ・デ・ナシオン)  万国の宮殿という意味なのだそう。

Palais des Nations(パレ・デ・ナシオン)  万国の宮殿という意味なのだそう。

World YMCAの使命は、世界の全ての人が心身ともに、持続可能で平等に共存できる社会に生きられるよう、若者と地域をエンパワーメントすること。地域の幸福、意味のある仕事、持続可能な地球環境、公正な世界という4つの柱を掲げている。

World YMCAの使命は、世界の全ての人が心身ともに、持続可能で平等に共存できる社会に生きられるよう、若者と地域をエンパワーメントすること。地域の幸福、意味のある仕事、持続可能な地球環境、公正な世界という4つの柱を掲げている。

World YMCAの地下の資料室

World YMCAの地下の資料室

それぞれお気に入りの資料に出会っていました。

それぞれお気に入りの資料に出会っていました。

ジュネーブ大学前のバスティオン公園内にある宗教改革記念碑。権威主義や腐敗などキリスト教会の既存の在り方を批判し、新しい価値を見出し勝ち取ろうとしたプロテスタントの聖職者たち。左からファレル、カルヴァン、ベーズ、ノックス。

ジュネーブ大学前のバスティオン公園内にある宗教改革記念碑。権威主義や腐敗などキリスト教会の既存の在り方を批判し、新しい価値を見出し勝ち取ろうとしたプロテスタントの聖職者たち。左からファレル、カルヴァン、ベーズ、ノックス。

オールドタウン(旧市街)

オールドタウン(旧市街)

人々が集まれる広場。何かあると、ここで集会や演説が行われていたのだろうか。と想像が膨らみます。

人々が集まれる広場。何かあると、ここで集会や演説が行われていたのだろうか。と想像が膨らみます。

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3日目

ジュネーブが「平和の首都」と呼ばれる理由を直接体験する一日となりました。参加者たちは国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)と国際赤十字委員会(ICRC)を訪問し、戦争、災害、人権危機の中で人道的支援がどのように行われているのかを学び、「生命と尊厳の保護」という人類普遍の価値を中心に据えた国際機関の役割を理解しました。夕方には、ジュネーブ湖の北側に位置するローザンヌ(Lausanne)を訪れ、専門ガイドとともに市内を巡り、市議会議員との交流を通じて市庁舎や議会会議場を見学しました。参加者たちは、市民参加と地方民主主義が息づく都市の姿を体感することができました。

赤十字のボランティア活動に命をささげた殉職者たちの展示。

赤十字のボランティア活動に命をささげた殉職者たちの展示。

赤十字(ICRC)と国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)の役割について学びました。

赤十字(ICRC)と国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)の役割について学びました。

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マップ

https://www.google.com/maps/@46.2217218,6.1167481,14.33z?entry=ttu&g_ep=EgoyMDI1MTAwOC4wIKXMDSoASAFQAw%3D%3D


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ジュネーブ条約(国際人道法の基礎となる最初の条約)

ジュネーブ条約(国際人道法の基礎となる最初の条約)

4日目

参加者たちは国際社会の現場で実践的な経験を積む一日を過ごした。 午前中は国際労働機関(ILO)を訪問し、労働権と人権の関係、そして社会正義の意義について学び、 「労働」が平和と人権の基盤である理由を理解しました。 午後には、いよいよ本プログラムのメインイベントであるサイドイベント(Side Event)が開催されました。 参加者たちはオンラインでの事前学習から現地活動までの歩みを振り返りながら、 青年交流と国際連帯の重要性について発表した。 その率直で真摯な発言は、会場に出席した市民団体関係者や国際機関の担当者たちに深い感銘を与えました。 夕方には参加者たちはジュネーブ市内を自由に散策し、研修の最終日をゆったりと過ごしました。街を歩きながらお土産を買い、ジュネーブの街並みや穏やかな夕方の雰囲気を楽しみました。短いながらも充実した旅を振り返り、互いに感謝の気持ちを伝え、友情を深める時間となりました。夕食の場では、このプログラムを通して感じたことや学んだことを語り合い、「平和」と「連帯」の意味を改めて心に刻みながら、温かい雰囲気の中で研修の旅を締めくりました。

トピック

今回私たちは人権理事会のいくつかの会議セッションに「朝鮮戦争の終結、植民地支配精算、持続可能な地球環境と教育の機会など、東アジア地域や世界で将来世代が平和に共に暮らすための権利とその道筋」を示す日韓共同声明を提出しました。この声明は第60回人権理事会の「Agenda Item4Truth, Justice, Reparation, and the Prevention of Future Conflicts」(議題アイテム4 真実、正義、賠償、再発防止のための課題)で正式に採択され、国連のライブラリにも掲載されます。NPAジュニアが始まって4年、日韓の若者が出会い、共に学び築き上げてきた友情と平和への希望の文書が多くの人の心にも届くよう、発信を続けていきます。


Agenda Item 4 Truth, Justice, Reparation, and the Prevention of Future Conflicts:

真実・正義・賠償・再発防止のための課題

朝鮮戦争終結と植民地支配の清算 ― 青少年と市民社会がつくる持続可能な東アジアの平和